2011年度の家電出荷額、前年を下回る見込み

~上期は好調。エアコンは1972年以来最高

 社団法人日本電機工業会(JEMA)は、2011年度のエアコン冷蔵庫、洗濯機などの白物家電の国内出荷額の見通しを発表した。2011年度の国内出荷額は2兆1,444億円で、前年比4.5%減のマイナスとなる見込み。

 昨年度は、記録的猛暑とエコポイント制度の後押しによって、2年ぶりに国内出荷額が増加した。2011年度は、昨年度に比べて減少するものの、上期の好調が下期の減少を補い、過去10年では昨年度に次ぐ高い出荷額となると予想している。製品別では、エアコンが前年度比8.9%減、冷蔵庫が6.3%減、洗濯機が2.1%増の見通しになるという。

白物家電の国内出荷額。2010年度の実績と2011年度の見通し

 上期は、昨年度から続く好調な流れを受けて、過去10年で最高額となる1兆2,033億円を記録した。特に4~6月は東日本大震災によって節電意識が向上し、省エネ製品への関心が増したことや、被災地向けの出荷が増加したことから、前年同期比2桁増となった。

 7~9月は、記録的猛暑だった昨夏の水準には届かなかったものの、過去10年の平均出荷額は上回った。中でもエアコンは省エネタイプに関心が集まり、台数ベースでは4半期連続のプラス。台数ベースでみると、上期としては、確認のとれる1972年度上期以来で過去最高という。

 一方で、下期国内出荷額は、9,411億円で前年同期比11.1%減少する見通し。家電エコポイント制度終了に伴う消費の減退のほか、雇用や所得環境の低迷など、景気の先行きにも不透明感があり、家電産業には厳しい事業環境が予想されるという。

 製品別では、エアコンが前年同期比25.9%減、冷蔵庫が11.5%減、洗濯機が1.3%減になると予測している。

 なお今回の見通しには、タイでの大規模な洪水被害の影響についてはまだ確認できていないため、反映されていないという。






(小林 樹)

2011年11月28日 16:22