ニュース

エアコンに消臭スプレーはNG! 夏のニオイ対処法を三菱電機が解説

三菱電機がエアコンの嫌なニオイの対処法を紹介

三菱電機は5月31日、エアコンを使いはじめたときの嫌なニオイの原因と対処法を公開した。同社が実施した調査によると、東京・大阪に住む男女600名のうち、63.5%が「エアコンの使いはじめのニオイが気になる」と回答。一方でそのニオイの対策をしていない/対策法がわからないという人は44.9%いたとする。

エアコンのニオイが気になる人は約6割

ニオイの原因は2種類。室内のニオイは1時間の冷房で軽減

同社によると、エアコンをつけはじめたときに気になる風のニオイには、「室内のニオイ」と「カビのニオイ」の2種類があるという。室内のニオイの原因は、エアコン運転時に空気とともに室内のあらゆるニオイがエアコン内部に吸い込まれることにある。食品や汗、タバコの煙のほか、化粧品など普段は気にならないニオイもほかのニオイと混ざることで変調し、悪臭になることがあるとする。

冷房のオフシーズン(暖房運転時)に溜め込んだこれらのニオイが、冷房運転時の結露水によって放出され、嫌なニオイとなってエアコンの風とともに出てくるという。室内のニオイに起因する異臭に関しては、アルミフィンの表面に溜め込んだニオイ物質がある程度放出されると気にならなくなるという。

室内のあらゆるニオイが混ざって悪臭に
エアコンの使いはじめは、アルミフィンに付着したニオイ物質が放出される

具体的な対策法として、「窓を開け、エアコンを最低温度に設定し、1時間の冷房運転をする」ことを推奨している。この方法により、エアコン内部で結露した水が熱交換器に付着したニオイ成分を洗い流してくれるとしている。なお、湿度が高い場合に窓を開けて1時間以上運転すると、室内機内部から水が垂れるおそれがあるため、室内機の下にビニールシートを設置し、家財や床を保護するよう呼びかけている。

冷房を最低温度で1時間運転させてニオイ対策

わずかなカビでも臭う! 取り除いて快適に

冷房運転中に室内機が高湿度の環境になると、室内機の風向フラップや通風路、ファンにカビが生えやすい。カビはごく微量でも強いニオイとして感じやすいため、ニオイを抑えるにはカビを取り除くことが重要だとする。

エアコン内部にカビが付着している可能性がある
カビはわずかでもニオイは強く感じる

まずは吹出口付近のカビを拭き取り、冷房運転をしてニオイが軽減されたかを確認。改善されない場合は、通風路やファンなどの手が届かない場所にカビが生えている可能性があるため、購入した販売店またはメーカーの修理窓口に問い合わせ、内部洗浄を行なうことを勧めている。

カビを除去したら、エアコンの「内部クリーン」機能を設定する。内部クリーンは、冷房/除湿運転後に送風や弱暖房運転をすることでエアコン内部を乾燥させ、カビが生えにくくするという機能で、エアコンのニオイの予防として効果的だという。

エアコン内部を乾燥させてカビを抑える「内部クリーン」機能を活用

このほか、フィルターに付着したホコリを放置するとニオイの原因になるため、エアコンを本格的に使用する前にフィルターの手入れを推奨。フィルターを取り外してホコリを掃除機で吸い取るか、水洗いをして日陰でよく乾かし、汚れがひどいときは中性洗剤を溶かしたぬるま湯ですすぐ方法を紹介している。

臭くてもエアコンに消臭剤を吹きかけるのはNG

前述した対策をすべて行なってもニオイが改善されないことがある。しかし、その場合でもエアコンに消臭剤や抗菌剤を直接噴射してはいけない。センサーの故障や熱交換器の腐食が起こり、冷房の性能悪化につながるという。

またエアコン内部の洗浄は自分で行なわず、必ず販売店かメーカーに相談する。誤った洗浄剤の使用で部品が破損するほか、洗浄剤がモーターに接触すると故障や発煙/発火の原因になるとしている。

室内機の熱交換器の汚れが気になった際は、雑巾で拭くとアルミフィンで指を切傷する可能性があるため、熱交換器のホコリは掃除機で吸い込んで手入れするよう呼びかけている。

エアコンに消臭剤を吹きかけるのはNG
熱交換器は雑巾で拭くとケガのおそれ。掃除機で吸い取ることを推奨