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“小さなルンバ”でプログラミングを学べる、アイロボット「Root」

Root

アイロボットジャパン(iRobot)は、小型ロボットとアプリで簡単にプログラミングが学べる「Root(ルート)」を、2月19日に発売する。価格は29,800円。

掃除ロボットのルンバなどで知られる同社は「エンジニアの自由な発想や、クリエイティビティを大事にしている」としており、2009年から社内にSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育のプログラムを導入。大学での授業に協力するなど、将来のエンジニア育成にも注力している。

開発されたRootについて同社は「小さなルンバ」としており、ロボットに関する様々な機能を投入。ユーザーがアプリ上でプログラミングした通りに机や床などの上を走るほか、壁のホワイトボードなどに磁石で吸着して、マーカーで線を描くといったこともできる。

アプリで小型ロボットを操作

スマートフォン/タブレットとBluetooth LEで接続し、iOS/AndroidアプリまたはChromeなどで動作するWebアプリを用意。ブロックをつなげるような簡単な方法から、本格的なコーディングコマンド/構文の打ち込みまで、レベルに合わせた学習が選べる。使用するプログラミング言語は、Appleが開発しiOSなどで使われているSwift。

掃除ロボットのルンバと同様にバンパーも備え、壁や物体などにバンパーが当たると動きを変えたり、音が流れるなど特定の動作をさせることも可能。段差センサーやカラーセンサーなども備え、大きな段差で落ちるのを防げるほか、人が書いた線の上を追従して走ることなども可能。製品名のRootは「子供が感じる楽しさやワクワクの“根っこ”の部分を大切にしたい」との想いから付けられた。

3つのレベルで子供から大人までプログラミングを楽しく学べる

Rootでできる主な動作は、絵を描く(付属のペンを挿して上げ下げ)、音楽を奏でる(全8音階と音符の種類を設定)、7色の光を出す(7種類の色と光の量を設定)、壁を上る(裏面のマグネットでホワイトボードにくっついて垂直に移動)、運転(手持ちのデバイスに合わせてRootを走行/回転)、ルンバのように動く(バンパートリガーを利用して、ルンバのように障害物に当たりながら進む)というもの。

ペンを挿して絵を描ける
Rootでできる主な動作

専用アプリ「iRobotCoding」でコードのシミュレーションができ、ロボットが手元になくても、アプリのみで自作のプログラムを作成して動きを確認できる。また、クラウド上に作成したプログラムを保存することで、世界中のプログラマーにシェアできる。アプリやサービスの利用は無料。

アプリはブロックをつなげて簡単にプログラミングするレベル1から、本格的にテキストコーディングするレベル3まで、3段階のレベルで構成。これらを画面上で簡単に切り替えられるのも特徴。小学校教育の全教科や、中学校でのプログラミング授業で使えるようにデザインしたという。

レベル1「グラフィック・ブロック」
動きがイラストで描かれたブロックをドラッグ&ドロップをしながら、コーディングの基礎となる論理的スキルを学ぶ。

レベル2「ハイブリッド・ブロック」
グラフィック・ブロックとテキストで書かれたコーディングスクリプトを組み合わせて、コーディングの流れを習得する。

レベル3「フル・テキスト・ブロック」
フルテキストコードを使用して、本格的にコーディングコマンドや構文を打ち込む。

3つのレベルを切り替えて利用できる

最大稼働時間は5時間で、充電時間は3時間。充電はUSB Type-Cポートから行なう。

本体サイズは13.4×4.5×14.9cm(幅×奥行き×高さ)、重量は約0.49kg。
付属品は、USB充電ケーブル、折り畳み式ホワイトボード、デコレーションシール、ホワイトボードマーカー2本、拭き取りクロス。

本体の各部機能

学校向けに先着で1,000台を無償提供。支援プログラム開始

1月19日より学校向けに、「みんなでRoot! プロジェクト」を開始。参加校をRoot専用ホームページ「iRobot Education」上で募集。全国の小学校を対象にRootを配布するもので、1校につき6台、合計1,000台のロボットを無償提供する。昨年より小学校で必修となったプログラミング教育を本格導入するための支援施策と位置付けており、参加校には自作のカリキュラムや作品を発表するイベントなどを予定している。