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ダイソン史上最軽量、日本に最適化した軽くて強力なスティック掃除機「Dyson Digital Slim」

新製品のDyson Digital Slim。オンライン発表会にSHELLYさんが登場

ダイソンは、25%軽量化しながら変わらない吸引力を実現するというスティック掃除機の新モデル「Dyson Digital Slim」を6月22日より順次発売する。価格はオープンプライスで、ラインナップは、付属ツール4個のDyson Digital Slim Fluffy Originから、10個付属のDyson Digital Slim Fluffy Proまで4種類。直販価格は64,900円~97,900円(税込)

ダイソン コードレススティッククリーナー史上最軽量となる1.9㎏で、既存のDyson V11に比べ25%軽量化したコードレスクリーナー。日本の住環境に合わせ、日本特有の塵ゴミや、生活習慣、季節変動などをも考慮して開発した。

ダイソン独自開発の新小型軽量デジタルモーター「Dyson Hyperdymium(ダイソン ハイパーディミアム)モーターと、独自設計された新構造の高効率スクロールサイクロンの搭載で、目に見えない微細なホコリまで取り除くという。

Dyson Digital Slim

さらに、40%小型/軽量化したSlim Fluffyクリーナーヘッドを採用。これらを含め、ダイソンが25年以上にわたり開発してきた、同社の根幹となる掃除機に関するテクノロジーをさらに進化。性能と使い勝手の優れたバランスを実現したという。

パワフルな性能は維持しながら、20%小さく、25%軽軽量化して操作性が向上。また、独自設計のサイクロン構造が取り除いた微細なゴミをしっかりととらえ、0.3ミクロンの微細な粒子を99.97%捕集するという。

こうした特徴について、22日にオンライン発表を開催。ダイソンのクリーナーを10年間愛用しているというタレントのSHELLYさんを招いて実施された。

ジェームズ・ダイソン氏もオンラインで登場

25%の軽量化を実現した2つの特徴

ブラシに使用しているカーボンファイバーとフェルト部のつなぎ目を縫合し、従来のモデルに使用していた複数のプラスチック部品と接着剤をなくした。これにより、クリーナーヘッドの軽量化を実現。最上位機種Dyson V11と同様に、微細なゴミと大きなゴミを同時に取り除き、日本の住居に多いフローリング等の硬い床面で高いパフォーマンスを実現するという。

クリーナーヘッド内の空気の経路も再設計。床からクリーナーヘッドのネック部分への空気の経路がよりダイレクトかつ平坦になったことで、壁際のゴミを取り除きやすくした。また、従来より薄くなったことで、家具の下の隙間も掃除しやすいという。

小型化したクリーナーヘッド(左)

Dyson V11の本体は2つのパーツから構成されているが、Dyson Digital Slimの本体は一体型とした。全体設計を見直したことで性能は変わらず、シールやリベット、機構の厚みなどを削減して軽量化した。サイクロンは5%、フィルターは19%の小型化を図ったほか、パイプ部分は6.3mm細く、軽くなったショートパイプを採用。製品全体で15%短くなった。

V11(左)とDyson Digital Slim(右)

小型でも強力な新開発Dyson Hyperdymiumモーター、サイクロンも新構造

新開発のDyson Hyperdymiumモーターは毎分最大120,000回転してパワフルな吸引力を実現。高速回転を生み出すには、軽くて硬いシャフトが必要なため、Dyson Hyperdymiumモーターは、1,600℃の高温で硬化させたセラミック素材のインペラーシャフトを使用。スチールの約3倍の硬度を持ちながら密度は約半分と小さく、高速で軽量小型を実現している。

新しいDyson Hyperdymiumモーター

独自設計した11個の新構造サイクロンを搭載し、100,000Gの遠心力を実現。微細なゴミやホコリを気流から取り除く。より曲線的な吸気口が付いた新形状の高効率スクロールサイクロンを採用。

空気の摩擦を減らすために吸気口の半径を拡げ、渦巻き状に吹き込む気流の角度を調整し、空気抵抗を軽減。サイクロンの先端に向かって風速が増すことで、微細なゴミまで空気から遠心分離する。

また、一部のコーンの向きを変更し、サイクロンユニットを小型化。吸引力が落ちないよう中心部を再設計した。この新たなサイクロン機構によってプレ/ポストモーターフィルターに押し付けられる微細なホコリが減少するという。クリーナーヘッドからサイクロン部分、フィルターを経て排気までの空気の経路が一直線に設計され、効率的な気流の経路を確保でき、パワフルな吸引力が変わらないとしている。

サイクロンの構造も見直した
本体構造の比較。左が最上位のV11、中央と右がDigital Slim

布団やソファ、車内の掃除にも。グリップやトリガー見直しで握りやすく

スティッククリーナーとしてのほか、付属ツールの付け替えで、ハンディクリーナー、布団クリーナーとして利用可能。布団やソファ、車内の掃除などに使える。

手にした時のグリップも改善。ハンドルの外周が小さくなったことで手の小さい人でも握りやすいようにした。トリガーの形状も曲線的になった。

ePTFE多孔質膜フィルターなど、製品全体で5段階に渡ってゴミを捕集。0.3ミクロンの微細な粒子を99.97%捕らえる。ガスケットと加圧ゴムシールにより、本体内部にゴミやホコリを捕らえて逃さないという。

液晶ディスプレイを備え、現在の吸引モードや秒単位の残りの運転時間をリアルタイムで表示。フィルターのメンテナンス時期を通知するほか、異物の詰まりなどのトラブルも知らせる。

ディスプレイ部

ゴミ捨てもワンタッチでゴミに触ずにできるよう設計。レバーを引き上げると、ゴム製のスクレイパーがシュラウドについたゴミをこそぎ落とし、クリアビンを衛生的に保持。メンテナンスも簡単で衛生的としている。ブラシバー、クリアビン、一体化したプレ/ポストモーターフィルター、隙間ノズルなどは水洗い可能。

バッテリーは最長40分間動作(エコモード時)。強モードは最長5分間の運転が可能

スティック時の本体サイズは、250×233×1,100mm(幅×奥行き×高さ)。いずれもクリーナーヘッドは、Slim Fluffyを同梱する。

なお、昨年発売されたV8 Slimは250×210×1,123mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約2.15kg。

付属品は、ベーシックなFluffy Originがヘッドに加えコンビネーションノズル、隙間ノズル、収納用ブラケット、ツールクリップを同梱。

最も付属品が多いFluffy Proには、ミニ モーターヘッド、LED隙間ノズル、v8 slim fluffy plus light up crevice tool、ハードブラシ、ハードブラシ、延長ホース)、フトンツール、専用充電ドック、予備バッテリーも付属する。

他社製品とエコモード/強モードでの実力を比較

22日に行なわれたオンライン発表会では、日本の品質部門を担当するジェームズ・シェール氏がDyson Digital Slimの実機を用いてデモ。日本で最も使用されるというエコモード時でも、他社製品と比べて高いという集塵力や、ヘッドを着けた状態での強モードの吸引力の高さなどをアピールした。

エコモード時の集塵力デモ
3つのクリーナーをかけた後のフロア。中央のDyson Digital Slimに比べ左右の2つはゴミが残っていた
クリーナーヘッド装着時の吸引力デモ

「もう少し軽く」の声に、吸引力を妥協せずに応える

会見後、同社シンガポールの拠点でフロアケア製品開発部責任者を務めるウィル・カー氏と、新モデルDyson Digital Slimの開発全般をリードしたトング・SS氏が報道陣からの質問に回答した。

ウィル・カー氏(右)、トング・SS氏(左)

Dyson Digital Slimの最大のポイントは、既存の最上位機である“万能な”V11の多くの機能を、小型ボディに凝縮したことにあるとしている。

これまで2,000以上の試作を重ね、開発には2年を要した。アジアのユーザーからは、既存モデルの機能に満足度が高い一方で「もう少し軽くしてほしい」という声も多かったという。そうした中、新モーターやサイクロン構造の見直しなどで、吸引力に妥協せず完成したのが今回のDyson Digital Slimとなる。

そのほか、「(手があまり大きくない人にとって)持ちにくい」との声もあり、ハンドル部の外周を小さくし、トリガーも握りやすくしたのも、消費者の要望に応えた一例だという。