ミニレビュー

全方位録画の首かけドライブレコーダー「FITT360PB」をe-bikeで試す

ミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
首かけスタイルで使うウェアラブルなドライブレコーダー「FITT360PB」

なかなかユニークなドライブレコーダー「FITT360PB」が2021年9月に発売されました。首かけ式のウェアラブルドライブレコーダーです。車体などに装着するのではなく、「身につける」という点が斬新!

FITT360PBを装着した様子。首にかけて使います。左右先端には2つのカメラが内蔵されていて、左右前方を録画
後ろに内蔵されたカメラで後方を撮影します
周囲360°の状況を1枚の動画としてまとめて録画できます
3カラー展開。左から順にブラック、ホワイトゴールド、ホワイトシルバーです。価格は63,800円

このドライブレコーダーを見た瞬間、「あっコレは二輪車にピッタリかも!」と思いました。モーターサイクルやe-bikeや自転車に向くドライブレコーダー製品もありますが、車体への取り付けがハードルとなりがち。でもこのFITT360PBなら、その手間がなく、モーターサイクルでもe-bikeでも手軽に流用可能。メーカーとしてもそういった活用を想定しているようです。

首にかけるだけで使えるので、二輪車やキックボードなどで幅広く使えます。もちろん徒歩での利用も可能
首かけスタイルということで、前傾姿勢での使用だと正しく撮影されない可能性があるとのこと。ロードバイクやレーサー系のモーターサイクルには向きません

乗車姿勢に少々の制限があるものの、首にかけるだけで使えるのは非常に便利そう♪ さっそくメーカーから実機をお借りし、どんなふうに使えるのか、どんな映像が撮れるのか、試してみました。使ってみたのは愛車のe-bikeでの走行時です。以下、そのレビューをお送りします。

単体ですぐ使える、専用アプリで細かな設定が可能

まずはFITT360PBがどういったハードウェアなのかを見ていきましょう。プロセッサとしてQualcomm Snapdragon 835を搭載した、Androidベースのドライブレコーダーです。充電式(USB-C)で、フル充電までに最長約2時間かかり、フル充電からの待機時間は約14時間、最長録画時間は約3時間30分です。

撮影できる画像は、動画として3,840×1,280ピクセルのMP4(H.264/AAC)動画で、フレームレートは30/15/8fpsから選べます。3,840×1,280ピクセル(30fps)の高画質動画の場合だと、最長で3時間30分録画可能となっています。また、同ピクセルサイズの静止画も撮影可能。

こんな感じの動画や静止画が得られます。どちらも横長。横長の映像の中に、3つのカメラからの映像が合成されるというわけです

動画などを保存する内蔵ストレージ容量は46GB。128GBまでのmicroSDカード(別売)を追加すれば録画しておける映像の長さを増やせます。

一般的なドライブレコーダーと同様に、ひとつの録画ファイルの長さを1分/3分/5分/10分から選択可能。また、ストレージ容量を使い切っても自動で上書き録画する仕様で、これも一般的なドライブレコーダーと同様ですね。なお、これらの設定は専用アプリから行ないます。

専用の「FITT360PB」アプリの表示例。FITT360PBの細かな機能設定はアプリから行ないますが、初期設定のままでよければFITT360PB単体で使い始められます。アプリから録画開始や静止画撮影なども行なえますが、これらもFITT360PB本体のボタンで行なえます

FITT360PBは、本体を首にかけてドライブレコーダーとして使えるわけですが、装着時にはFITT360PBを水平に保つためのネックガイドなどを付けるのがいいでしょう。必須ではありませんが、ネックガイドなどを付けたほうがFITT360PB本体が安定し、より良好な映像が得られます。

FITT360PBはそのまま首にかけても使えますが、右のようなネックガイドを装着するとより水平が保たれ、安定的に動画を撮ることができます
首の太さに応じて適したネックガイドを装着します
ネックガイドはサイズ違いで3セット同梱されています。FITT360PBを首からの落下を防ぐ「ベルクロ」というパーツ(ネックガイド部付き)もあります

それと、FITT360PBの防水等級はIPX4。これは「あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)」という防水性能で、多少の汗などなら大丈夫。ただし、雨など水が多い環境での使用は想定されていません。

サクッと使えてカンターン♪

使い方は簡単で、基本的には電源を入れて首からかけ、録画ボタンを押すだけ。操作方法などの感想もご紹介しましょう。

今回はFITT360PBとベルクロ(落下防止バンド)を組み合わせて使ってみました
本体後方下側のフタを開くとUSB-CポートやmicroSDカードスロットがあります。中央にあるのが電源ボタン。電源のオンオフをするにはこのフタを開く必要があります
電源を入れると後方カメラ上部にあるLEDランプが点灯します。動作状態や電池残量を示すインジケーターともなっています
電源を入れた後、首にかけて録画を開始。録画開始・停止のためのボタンは本体前方右先端の内側にあります。長押しで録画開始・終了、短押しで静止画の撮影が行なわれます。右はBluetoothをオンにしてスマートフォンと接続している状態です(青ランプ点灯)
録画中は本体前方左右端の上にあるLEDランプが赤くゆっくり点滅します

といった感じで、FITT360PBの電源を入れ、首にかけて、録画開始ボタンを長押しすればOK。基本的な操作はこれだけです。なお、動画録画中でも停止中でも、ボタンを短押しすれば静止画が記録されます。

ちなみに、電源を入れると自動的に録画が始まる設定にもできます(アプリで設定)。実際にFITT360PBを使っていると、電源オンで自動的に録画開始設定にしたほうがラクかつミスがなくていいかも、と思います。

自転車やモーターサイクルで「通勤通学時に常用する」という場合、電源を入れたら自動的に録画が始まる設定にしたほうがいいかもしれません。FITT360PB装着後に録画開始ボタンを押すのはちょっとした手間ですし、押し忘れなども防げます

ともあれ、非常に簡単に使えるFITT360PB。使用開始のハードルが低いウェアラブルドライブレコーダーです。

どんな映像が撮れるの?

では、さっそくFITT360PBで撮影開始です。FITT360PBには徒歩でボディカメラとして使うことで防犯につなげるというコンセプトもあるようなので、まず徒歩で撮ってみました。映像の設定は初期値(解像度最大/15fps/ビットレート中)です。

【徒歩での動画】普通に歩きながら使ってみました。日差しが強かったからか、影がかなり黒く出ています。風が強いと風切音が目立ちますが、音もちゃんと録音されます
これは動画から切り出したドットバイドット(ピクセル等倍)の静止画です。左の看板の文字はどうにか読み取れます
前方から走ってきたライダーも撮れています(モザイク処理済)

動画に揺れはあるものの、首からかけているということで、思ったより安定した動画になっていると感じました。人間の首あたりは、歩いたりしているときに最も揺れが少ない部位だそうです。

続いて自転車(e-bike)で走りながら撮ってみました。で、まずは失敗例からお見せします。あまり深く考えずにフード付きのウェアを着て撮ってみたら、フードが風で煽られてFITT360PBの後方画像を遮ってしまったという失敗例です。

【e-bikeでの動画】後方の画像(画面左端)がフードに遮られて見えなくなってしまいました。FITT360PBを使うときは着るウェアなどにも注意しなくてはいけませんね
動画から切り出したドットバイドット静止画。クルマの脇を通り過ぎましたが、クルマのナンバーはハッキリと写っていました(モザイク処理済)
ただし場合によっては主な4桁のナンバー以外が見えにくいことも
【e-bikeでの動画】着るウェアに注意して再撮影した動画。やや夕方近くになってしまったので日陰部分は暗めですが、わりとクリアに写っていると思います
切り出したドットバイドット静止画。対向車のナンバーが確認できるレベルで写っています
駐車中のクルマのナンバーは、やや暗め(日陰のため)ですがわりとクリアに視認できます。どちらもモザイク処理済
こちらは動画撮影中に撮った静止画ですが、録画ボタンを押す手の位置に気をつけないと、手が大きく映り込んでしまいます
なお、動画にも静止画にも画像左上にタイムスタンプが入りますが、その部分をドットバイドットで見ると問題なく情報が見えます

クルマのナンバーがちゃんと写っていました。事故などトラブルのときはナンバーがもっと近くに映り込むことが多いと思います。なので、このくらい写るならFITT360PBは十分ドライブレコーダーとして使えると思います。

ただ、夜間など暗い状況だと、場合によっては思うような映像が得られないかもしれません。拙宅付近で夜間に撮ってみましたが、かなり暗い状況でしたので、周囲に何があるか程度はわかるものの、近くのクルマのナンバーを確認するようなことはできませんでした。……夜間でも十分な光量の街灯がある程度多いような場合なら、写るかもしれませんが。

てな感じのFITT360PB。人体に装着するドライブレコーダーということで、車体への装着あるいは取り外しの手間がなくて使えるのが非常に実用的です。「そういうのが欲しかった」と感じる方も少なくないと思いますので、興味があればぜひジックリとチェックしてみてください。

スタパ齋藤