パナソニック　「セラミックファンヒーター DS-F1202」

　根っからの冷え性なので、オフィスでも足元が冷えて辛い。そこで、足元の暖房としてパーソナルに使いやすそうな、小型のセラミックファンヒーター「DS-F1202」を使ってみた。

　「DS-F1202」は、軽くて持ち運びやすい点と、スイッチを入れるとすぐに温風が出てくる点が特徴のセラミックファンヒーターだ。本体サイズは28×13.4×31cm（幅×奥行き×高さ）で、重さは約2.4kg。女性でも片手で持ち運びが可能なコンパクトサイズである。

　本体前面下部の吹出口には、上下に動かせるルーバーがついているので、暖めたいところに向けて、ピンポイントで温風を当てることができる。

本体前面	後ろにコードを収められる	強さと時間の操作は2つのツマミで行なう

ルーバーのツマミ	下を向いた状態	上を向いた状態

　ツマミには電力切替とオフタイマーの2つがある。電力切替は「強」（約1,200W）と「弱」（約650W）の2つを切り替える。オフタイマーのほうは最大で5時間まで設定できるようになっている。説明書には、24時間連続使用しても問題ないと書かれている。

デスクの下にセットしたところ

　さっそく「DS-F1202」を会社のデスクの下において使用した。電源を「切」から「弱」にいれると、ほとんど無音。はじめの一瞬だけ、スーッと涼しい風が吹き抜ける感じがして、ふわっと温かい空気が流れてきた。

　次に、ツマミを「強」にいれる。パソコンを起動した時のような音がして、ものの10秒程度で温風が吹き出してきた。キーボードを叩く音が鳴り響くオフィスフロアにおいては、音の大きさなどは気にならない。

　オフィスのフロアは、すでに暖房がかかっていて、そこそこ温かさが保たれている。なので、「弱」にツマミをまわして15分ほどすると、足元は十分に暖かく感じられるようになった。

　雨の日は、「強」に設定して、冷え切った足と体を温めるのに使えた。イスを少しデスクから引き気味にして座れば、胸下くらいまでは温風が届く。同時に、靴も乾かせるのも嬉しい。

　また、転倒ＯＦＦスイッチもあるので、デスクの下で本体を蹴っ飛ばしてしまった時も電源が切れるので、慌てずに済んだ。これなら、子供のいるご家庭でも、安心して使えるだろう。

運転切替つまみ	タイマーつまみ

　正直なところ、これまでセラミックファンヒーターというと、あまり暖がとれない印象があった。以前、家の8畳間用の暖房として大型の製品を購入したのだが、なかなか部屋が暖まらなかったのだ。その割りに大きくて場所も取るから移動できず、いつのまにかお蔵入りになってしまった。

　今回の「DS-F1202」のような小型ヒーターであれば、他の暖房と併用して、温めたい部分にピンポイントに当てるのに適している。隣の席のほうにまで温風が届いてしまうこともなく、自分の机の下だけ、限定した空間をさっと暖めるにはちょうど良い。温風が風が当たるので肌が乾燥するのではないかと思ったが、特に乾きを意識することもない。机周りに荷物が多いときはサッと移動させられるのも嬉しい。

　面倒なのは、ツマミをいじって風量やタイマーを設定する時である。いちいちデスクの下に潜っていじらなければならないのが、非常に面倒である。これで何度頭を机にぶつけたことだろう。別にリモコンがあれば嬉しいのだが。

　手入れはというと、一週間に一度程度の割合で、フィルターについたほこりを掃除機などで除去する必要がある、と説明書に記載されている。フィルターを外して確認してみたところ、家庭よりも比較的ほこりの少ないオフィスだからなのか、使いはじめてから2カ月経ったのに、ほとんど汚れは確認できなかった。この調子で行けば、手入れは非常に楽だと思う。

かなり軽いので女性やお年寄りでも持ち運びしやすいと思う	フィルターの手入れは一週間に一回程度が推奨されている	使いはじめて2カ月だが、ほとんどフィルター汚れは確認できない

　電気代は、強運転時の1時間の使用で約26円。決して安くはないが、部屋を暖めるために常時運転させているものではなく、状況に合わせてピンポイントで使うことを考えると、極端に光熱費がかさむこともないだろう。

　私は自宅用に、もう一つ買おうか本気で考えている。すぐに暖かい風が出るし、トイレや脱衣場などの狭い空間にもなんなく運び込めるだろう。朝起きてすぐの着替えの際や、台所の石油ストーブが完全に点灯するまでの“つなぎ”の暖房としても、役立ちそうだ。価格も、パナソニックの暖房器具としては手ごろな部類に入るだろう。

　これからの季節、特にシーンに合わせて暖房をいれたい人や、寒がりの人にオススメしたいヒーターだ。