家電は共働き家庭を救うか!?

食洗機利用で「洗濯板から洗濯機」並みのアップデート感は得られるのか

息子が中1のときに初めて結婚した著者が、家電偏差値35ながらに、時短家電を使いこなす日々を綴ったコーナーです

 「とりあえず食洗機買え」

 家事と仕事でパンク寸前の私が、複数の友人から投げかけられた言葉だ。「食器を手で洗っているのは、洗濯板で洗濯しているようなもの」とまで言う人もいた。

 一方、家電 Watchの編集長は、「食器洗い乾燥機が便利、というのは皆分かっていることなのですが、購入者にアンケートを取ると『買ったけど使わなくなった』という人も半分いるんですよ」と言っていた。

 あんなに場所を取るのに、半分が使わなくなるなんて、食洗機って意外にリスクの高い家電なのか。私がどっちのタイプなのか、食洗機を自宅で1カ月使ってみることにした。

スペースの制約でプチサイズしか置けず

 今回レビューする食洗機はパナソニックの3人用食洗機「NP-TCR4」。なぜこの商品を選んだか。他に選択肢がなかったからだ。

 編集長はあれこれ調べてくれて、「できれば発売されたばかりの商品を試してほしい」とご所望してきた。私もメジャーを引っ張り出してキッチンの大きさを測ったり、キッチン周囲の写真をメーカーさんに送ったりした結果、5人用の食洗機を設置するのは難しいと分かり、3人用を取り付けることになった。

 食洗機の取り付け工事でも想定外の事態が起きたので、気になる人は1つ前の連載記事「食洗機設置で想定外のトラブル。自分で業者を探した末路」も読んでほしい。

我が家のキッチンは、3人用の小さな食洗機がぎりぎり置けるスペースしかなかった。水切りかごも撤去できないので、調理スペースには制約が出た
メーカー名パナソニック
製品名食器洗い乾燥機 NP-TCR4
実売価格57,900円

手洗いするよりきれいな洗い上がり

 さて、食洗機の取り付けが終わると、いつものごとく私は取扱説明書も読まずに使い始めた。食器を適当に入れ、備え付けのスプーン半分くらいに洗剤を盛ったものの、どこに投入していいか分からない。ここで説明書を確認、オレンジのスペースに投入すると分かった。あとはコースを選んで、スタートボタンを押すだけだ。

 当初は、食器をすき間なく詰めていたが、それだと食器と食器が重なり合った間にご飯粒が残っていたり、汚れが落ちていなかったり、汁椀の底に水がたまっていたり……。そこでようやく、メーカーの指示通りに食器を入れるようになった。コップは飲み口を下に、ご飯茶碗や汁椀、平皿などは横向きに。つまり水流にとっての「死角」を作らないように、そんな感じだ。

当初は洗い物を適当に入れていたため、水流がきちんと届かず、洗い残しもちらほらあった。食洗機の力を発揮するための最低限のお仕事は必要

 きれい好きの夫は、「本当にきれいに汚れが落ちるの?」と懐疑的だった。中が見えないため、何が起きているか分からず不安が募るようだ(その論理だと、洗濯機だって不安になりそうなものだが)。

 そこはご安心あれ。食器を適切に入れているならば、適当な私が手洗いするよりは、ピカピカに洗いあげてくれる。カレーなど、こびりつきやすい料理をよそった食器やおたまは、事前にすすいで大きな塊を落としておいた方がいいが。食べ物のかすなどは、食洗機の網の部分にたまり、取り外して洗うことができる。

チャーハン作りに使ったヘラを、あえてそのまま食洗機に入れた結果。完璧ではないが、こびりついていた汚れもかなり落ちている

洗浄中の音はドライヤー並み

 標準コースの場合、スタートボタンを押して完了まで90分前後。量が少ないときはスピードコースで時間を短縮できる。

 洗浄中はそこそこ音が出る。「静かな掃除機」とか「ドライヤー」くらい。我が家のキッチンは独立型でもカウンター型でもなく、テレビの置いてあるリビングと同じ空間にある。そしてリビングの隣には寝室がある。

 手洗いすれば15分少々のところを、食洗機にお願いすると30分以上洗浄の音が聞こえることになる。私は喧騒の中で勉強も眠ることもできるので、全然平気だが、繊細な夫はちょっと気になるようだった。

男子高校生のいる3人家族には小さかった

 さて、正直レビューということで、書いておかなければならないことがある。

 食器洗い乾燥機のサイズは「3人用」で、我が家は3人家族。ではあるが、うちにとってはキャパが足りなかった。食器洗い乾燥機は、カタログなどを見ると分かるように、ご飯茶碗と汁椀以外は、深さのないお皿の投入を想定して、「●●点がセットできる」などと説明している。

 レビューした食洗機は「18点セットできる」と説明しているが、我が家では深さのある皿を多用するため、実際には18点は入らない。さらに、3人家族の1人は運動部に所属する食べ盛りの男子高校生。食器のサイズも量も、メーカーの想定より大きくなる。

 さらにもう1つ、息子は毎日弁当を持って行っており、帰宅後に自分で洗うことになっている。食洗機を使いだしてからは、息子は2段の弁当箱を食洗機に入れるようになった。これもなかなかのスペースを取ってしまう。

息子は弁当箱を洗わず食洗機に入れるようになった。2段あるのでかなり場所を取る。食洗機の力を最大限生かすには、こういった深さのある容器は手洗いするなどして排除した方がいい

食洗機にライフスタイルを合わせる必要も

 食洗機は便利だ。弁当作りで朝も結構洗い物が出るため、朝の食器洗いは食洗機にほぼお任せできた(鍋やフライパンは入らないので、一度片づけた水切りかごを再度設置することになった)。

 だが、食洗機のキャパよりも、洗い物の総量が多かったため、友人が言っていた「洗濯板から洗濯機」的なアップデート感は得られなかった。5人用のファミリー向け食洗機なら、だいぶ違ったとは思う。

平皿だとかなり入るが、3人用の食洗機は普段使っている食器を入れると2人分が精いっぱい

 ちなみに、私は11月に広めの戸建てに転居した。キッチンも広くなったので、今度こそ5人分の食洗機を取り付けようと張り切っていたが、実際には収まりのいい設置場所が見つからない。築55年の建物で、そこそこリフォームはされているのだが、食洗機に限らず、最近の家電を想定していない間取りになっているのだ。

 「賃貸だと食洗機をつけたくても、間取りの制約がある」と同年代の知人に愚痴ると、彼女は「私は食洗機なしの生活が考えられないので、食洗機ファーストで物件を探す」との答えだった。

 なるほどねえ。いつか分からないけど、次に引っ越すときは、家電ファーストで物件を探そう。それまでは、食器洗いを引き受けてくれる夫への感謝の気持ちを忘れず生活することにしよう。

浦上 早苗

新聞記者歴12年。2010年に小1の息子を連れ中国に博士留学。その後現地での大学教員を経て2016年に帰国。息子が中1のときに初めて結婚し、シングルマザー生活に終止符を打つ。フリーランスで経済ジャーナリスト、翻訳、MBA教員など。公私ともに何でも一人でやってきたので、効率化とマルチタスクは得意分野ですが、家電偏差値は35くらい。取扱説明書を読む時間ももったいないので、直感で動かせる電気製品、デバイスであるかは購入の重要な決め手。 息子に、「公式戦のユニフォームと練習用のズボンとはだしで超ダサい」と言われた写真。