趣味の節電道入門

第43回:節電がときめくマグカップの魔法

 この世には2種類の人間がいる。水分をよく取る人間と、取らない人間だ。

 いきなり仰々しく書いてみたが、筆者は前者で、1日にかなりの量のお茶やコーヒーを飲む。喉の渇きが気になりやすいのと、尿路結石持ちであることがその理由だ(本当はコーヒーは結石に良くないんだが)。夏場なら最低でも1L、多いときで2Lほどは水分補給している。

 屋内ではグラスやカップ、屋外ではペットボトルを使用することが多いが、欠点というか自然の摂理で、熱い飲み物は冷め、冷たい飲み物はぬるくなる。

 こまめにポットや冷蔵庫から補給するようにすれば、それは回避できるが、その都度お湯を沸騰させたり冷蔵庫を開閉したりするのは、節電的によろしくない。というわけで、真空断熱構造、いわゆる魔法瓶の機能を持つマグカップを購入してみた。

 購入したのはHARIO「V60 ウチマグ」なる製品。内容量は350mlと、コーヒーカップ2杯分。フタを外し、その上にドリッパーを乗せれば、ドリップしたコーヒーをそのまま注ぐことができることを特長としている。ウチマグという名前だが、オフィスはもちろん屋外で使っても問題はないだろう。

 ちなみに、マグカップ(mug cup)と魔法のマジック(magic)とは綴りが違うように関係ない。通常マグカップといえば取っ手の付いたカップを指すが、取っ手なしのカップはタンブラーと呼ばれることが多い。さらに、この手の製品は、海外ではサーモスと呼ばれるらしいが、これも商標であり「セロテープ」的な表現。ややこしいですな。

HARIO「V60 ウチマグ」2160円。カラーバリエーションはシルバーとブラック。95℃の飲料を入れて1時間後に73℃以上にキープする能力を持つ
表面に凹凸があり手にしっくりくる。底はゴム素材になっていて机の上などで滑りにくい
ドリッパーを乗せてそのままコーヒーが淹れられる

 話を戻して、この「ウチマグ」、カップ2杯分入るので、注ぐ手間は2分の1で済む。冷めた(ぬるくなった)という理由で注ぎ直すことも、もったいないので残りを無理に飲み干したりすることもない。飲み物が冷めない(ぬるくならない)のは意外と幸せ感がある。アイスコーヒーだと氷が溶けにくいので味が薄くならないしね。

 しかも、断熱構造なので手が熱くならない(上部は多少熱くなる)。冷たい飲み物でも結露しないので、デスクまわりが濡れない。フタが付いているので、ホコリやゴミが入りにくいし、倒したときの被害も軽減できると、使ってみると保温以外のメリットを実感する。節電とか抜きにしてもいろいろ便利で魔法的だ。

 さらにフタを外せば普通のタンブラーとしても使える。こりゃ、ビールを注いで飲むのにも良さげ。やっぱ夏はビールだよね。ビール飲みたい! ビールで節電! (本人も何言ってるかわからない)

本体はステンレスなので清潔が保ちやすい。口径は70mmあり、中を洗うのも容易だ
コーヒーショップのカップでもおなじみになった開閉式の飲み口。耐熱温度はフタが110℃、パッキンが180℃あり、熱い飲み物でも安心して使える

小口 覺