三菱電機は、蒸気が出ないIHジャー炊飯器「蒸気レスIH NJ-XS10J」を2月1日より発売する。希望小売価格はオープンプライス。店頭予想価格は80,000円前後。
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蒸気レスIH NJ-XS10J
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ルビーレッド
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ダイヤモンドシルバー
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同社では2006年より、プレミアム炊飯器として「本炭窯シリーズ」を展開してきた。月間50台という限定生産ながらも、口コミなどで味が評価され人気製品となったが、今回発表した炊飯器は同じプレミアムクラスの製品ながら、利便性を追求したという。
同社が行なったユーザーアンケートによると、「炊飯器の使用」における不満点について、棚や壁が汚れる、拭き掃除が煩わしいなどの理由で「蒸気が不快」と答えた人が約半数にのぼったという。
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炊飯器使用における不満点
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「蒸気が不快」と答えた人が約半数にのぼった
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内蔵カートリッジが蒸気を回収し、タンク内で冷却し水に戻す「水冷式蒸気回収システム」
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NJ-XS10Jでは炊飯中に発生する蒸気を回収する「水冷式蒸気回収システム」を搭載し、炊飯中に蒸気が発生しないことが最大の特徴。水冷式蒸気回収システムでは、本体前面部に水タンクを内蔵し、回収した蒸気を水で冷やして水に戻す。蒸気を外に出さずに内側で全て回収するため炊飯中に発生する蒸気をカットできるというもの。
本体には蒸気口なども一切設けられていない。蒸気の冷却には水タンク内にあらかじめ入れておく水を使用するため、電気を一切使用しないという。
蒸気が発生しないため、設置場所周辺が汚れることもなく、炊飯中の匂いも抑えられるという。また室内の温度や湿度にも影響がほとんどない。
本体の形状は棚などに設置しやすいスクエア型を採用。天面は手入れがしやすいようにフラットにした。本体サイズは、従来タイプとほぼ同等に抑えた。
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本体全面に設置された水タンク
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水タンクにはあらかじめ1L程度の水を入れておく
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水タンクを外した状態の本体全面
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内フタの内側に内蔵されたカートリッジ
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カートリッジ上部。水タンクへの通路と一体になっている
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カートリッジをフタに設置した状態
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内蓋についている蒸気回収口
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本体前面には水タンクの水位センサーが設置されている。水タンク内に水がない場合は運転しない
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操作パネル。蒸気口がなく、天面はフラットになっている
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本体カットモデル
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蒸気がでないことで匂いが抑えられる
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蒸気が出ないので、蒸気口が熱くなることがなく、室温にも影響しない
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また、蒸気を抑えることで、炊飯工程での大火力、密封状態が可能となり米の旨み成分は従来の約2倍に向上したという。
従来では蒸気の吹きこぼれを防ぐため、断続的な火力高騰を行なっており、釜内の火力を一定時間保つことが難しかった。また、蒸気と共に噴出するアミノ酸などの旨み成分は蒸気口に蓄積し、再び釜内に戻すなどの工夫をしていた。
NJ-XS10Jでは、蒸気を内側のカートリッジで回収するため、吹きこぼれを気にする必要がなく、火力を連続的に継続できる。また、蒸気口がないため釜内が密封構造になり、連続的な沸騰が可能になったという。これにより炊飯工程での熱量は4年前の同社の製品「NJ-GZ形」より約16%向上し、これにより旨み成分もアップした。従来機に比べると、米の表層部に溶出される還元糖量は約40%、米のふくらみ度は約11%それぞれ増加したという。
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蒸気を抑える必要がないので火力を維持できる
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高温を一定時間維持できる
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従来は旨み成分を蒸気口のカートリッジに蓄積していた
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また、これまで蒸気口のカートリッジに貯めていた旨み成分は、蒸気を回収するカートリッジで抽出する。旨み成分はフタ内部のカートリッジで、蒸気と分離され、蒸らし工程で釜内に戻される。従来より強い火力と、抽出方法により、炊飯中に発生するうまみ成分も従来の約2倍に増えたという。
「本炭釜 NJ-WS10A」との味の違いについては「本炭窯に比べて米の甘みが強い」(開発担当者)という。
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蒸気口がないため内部が密閉構造になる
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密封構造になるため熱量が従来に比べ約16%向上した
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沸騰状態を保つことで旨み成分、糖量、ご飯のふくらみ度がそれぞれ向上した
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内釜には加熱効率を遠赤効果の高い「炭コート」を施した「炭コート5層厚釜」。5つのヒーターで内釜全体を加熱する「五重全面加熱」を搭載している。
炊飯メニューでは、高血圧・糖尿病や耐ストレス効能があるとされる、GABA(γ-アミノ酪酸)を増やす「健康玄米」炊飯を搭載。そのほか「おひつ」に移した状態の米を再現する「食べ頃保温」機能を備える。
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白米の調理例
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「健康玄米」コースでの調理例
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本体サイズは253×348×230mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約6.3kg。炊飯容量は1L(5.5合)。炊飯時の消費電力は1,270W。本体カラーはルビーレッドとダイヤモンドシルバーの2色。
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三菱電機リビング・デジタルメディア事業本部 家電事業部長の田代正登氏
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同社 リビング・デジタルメディア事業本部 家電事業部長の田代正登氏は「斬新なデザインと機能で“新しいライフスタイル”と“おいしいごはん”という本質性を追求した製品」だとし製品への自信を見せた。
■URL
三菱電機株式会社
http://www.mitsubishielectric.co.jp/
ニュースリリース
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2008/1209-b.htm
炊飯器関連記事リンク集
http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/rice.htm
( 本誌:阿部 夏子 )
2008/12/09 17:57
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