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パナソニック ななめドラム洗濯乾燥機 NA-V5500
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パナソニック(松下電器産業株式会社)は、洗浄力を従来比約15%向上させた、新開発「ジェットダンシング洗浄方式」を採用する、ななめドラム洗濯乾燥機の新モデル「NA-V5500」を発表した。
NA-V5500には、左開きのNA-V5500Lと右開きのNA-V5500Rの2種類があり、それぞれにクリスタルホワイトとマホガニーレッドの2色がラインナップされる。発売日は10月1日で、価格はオープンプライス。市場価格は29万円前後が想定されている。
ジェットダンシング洗浄方式は、従来モデルで採用されていた「ダンシング洗浄方式」を進化させたもの。従来のダンシング洗浄方式では、ドラムを大きく回転させ洗濯物をドラム上部まで持ち上げて下にたたき落としながら洗浄する「ダンブリング(たたき洗い)」と、ドラムを急速に反転させ、洗濯物を小刻みに動かす「クイック反転(もみ洗い)」という2種類の動きを組み合わせて洗浄していた。
それに対しジェットダンシング洗浄方式では、ダンシング洗浄方式に加え、ドラム前方から洗濯物に向かって洗剤液を高圧で噴射する「パワフルジェット水流」という機能が追加されている。パワフルジェット水流によって、衣類に洗剤液が素早く浸透し、繊維の奥や裏の汚れもしっかり洗い上げるとしている。
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従来の「ダンシング洗浄方式」に、ドラム手前から高圧の洗剤液を吹きつける「パワフルジェット水流」を組み合わせた「ジェットダンシング洗浄方式」によって、洗浄力が向上
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ジェットポンプによって洗剤液を循環させるとともに衣類に高圧で吹きつけることによって、洗剤液を衣類に素早く浸透させる
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ドラム上部に取り付けられた「3D見張りセンサー」で、内部の衣類の状態を検知し、ドラム回転数スピードを自動調節する
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● 3Dセンサーでドラムへの張り付きを防止

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ドラムの揺れから内部の衣類の状態を検知し、ドラム回転スピードを自動調節することで、衣類がドラム上部まで持ち上がらなかったり、ドラムに衣類が貼り付くことを防いでいる
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ドラムにはドラムの動きを3次元で監視する「3D見張りセンサー」が取り付けられており、洗濯物によってドラムの回転速度を調節する機能も盛り込まれている。従来モデルでは、ドラム回転数が常に一定だったため、洗濯物の質や量によって、衣類がドラム上部まで上がりきらなかったり、ドラムに貼り付いたまま回転してしまうということがあった。
しかし、NA-V5500では、3D見張りセンサーによって、洗濯物がドラム上部まで上がりきらない時には回転スピードを高め、ドラムに貼り付いてしまう場合には回転スピードを弱めるというように、自動的に適切な回転速度にコントロールするようになっている。このように、ダンシング洗浄方式に、パワフルジェット水流と3D見張りセンサーを組み合わせることによって、従来よりも洗浄力が15%向上しているという。
実際に、ジーンズの表と裏に汚れの付いた布を貼り付けて、NA-V5500と従来モデルとで洗濯した場合の汚れ落ちの違いを見ると、従来モデルではジーンズ裏の汚れが落とし切れていなかったのに対し、NA-V5500では裏の汚れまでしっかり落ちているのが確認できた。
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ジーンズの表と裏に貼り付けた汚れた布
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従来モデルで洗浄した場合には、裏の汚れが落ちきっていない
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NA-V5500では、裏の汚れもしっかり落ちている
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● 消費電力量は960Whで業界No.1
また、NA-V5500ではヒートポンプ乾燥方式を採用するが、ヒートポンプユニットの構造や配置を改良することで、大幅な効率アップを実現している。まず、従来モデルで冷却器と加熱器の2ピース構成となっていたヒートポンプユニットを、冷却器と加熱器の間に特殊な素材を挟み込むことによって一体化に成功。これによって、冷却器と加熱器の間の空間がなくなり、空気を通した場合の損失が大幅に減少している。
さらに、本体内でヒートポンプユニットを斜めに配置することによっても、空気の流れをスムーズにしている。これにより、熱交換器の表面積が約1.2倍に増えるとともに、循環風量も約1.5倍となり、効率が大幅に向上。さらに、風量のロスを低減した大型ファンの採用、ヒートポンプユニットのコンプレッサーの効率を高めることなどみよって、洗濯乾燥時の消費電力量が960Wh、定格使用水量約58L(標準洗濯乾燥コース)という、省エネ・節水能力を実現している。
加えて、ユーザー調査によって「洗濯時間の短縮」という声が大きいことに応え、消費電力量は1,140Whと増えるものの、コンプレッサーをハイパワーで動作させることによって、6kgの衣類の洗濯から乾燥までを118分という短時間で行なう「スピーディ乾燥モード」も新たに搭載されている。
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従来モデルに搭載されているヒートポンプユニットは、冷却器と加熱器がセパレート構造のため、空気を流した場合に間の空間で損失が発生する
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NA-V5500のヒートポンプユニットは、冷却器と加熱器が一体構造となっており、空気を流しても損失が発生しにくい
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本体内でヒートポンプユニットを斜めに配置することによっても、空気の流れをスムーズにしている
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ヒートポンプユニットの構造と配置を見直すことによって、大幅な省エネを実現している
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新ヒートポンプユニットでは、従来よりも20%ほどの消費電力が低減していることがわかる
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標準乾燥モードでは、消費電力量が約960Wh、使用水量が約58L(定格6kgの洗濯から乾燥まで)と、省エネ・節水ともにNo.1。また、消費電力量は増えるものの、約118分と短時間で洗濯・乾燥できる「スピーディ乾燥モード」も新たに設けられている
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● 新たにnanoeを搭載
さらに、NA-V5500では、パナソニックの空気清浄機やエアコンなどに搭載されている「nanoe(ナノイー)」を、洗濯機として初めて搭載している。nanoeを洗濯槽内に放出することで、水洗いの難しい革製品やジャケット、ぬいぐるみ、熱に弱いナイロン製品などの除菌・消臭が行なえる。
また、洗濯後にnanoeを放出し、洗濯槽に黒カビが生えるのを抑制することも可能だ。ただし、通常の洗濯を行なう場合にnanoeが放出されるのではない。洗濯槽内に乾いた衣類などを入れ、そこにnanoeを放出し、水を使わずに衣類の除菌や消臭が行なえる機能という位置づけになっている。
本体サイズは639×716×1,021mm(幅×奥行き×高さ)。洗濯・乾燥した場合の使用水量は58L。
なお、nanoe機能を省いた下位モデル「NA-VR3500L」「NA-VR3500R」も同時に発売される。店頭予想価格は25万円前後。
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NA-V5500では、洗濯機として初めてnanoeデバイスを搭載している
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洗濯槽内にnanoeを放出することで、水洗いのできない衣類の除菌や消臭が行なえたり、洗濯槽の黒カビの発生を抑制できる
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本体カラーは、クリスタルホワイトとマホガニーレッドの2色。こちらはクリスタルホワイト
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マホガニーレッド
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■URL
パナソニック(松下電器産業株式会社)
http://panasonic.jp/
製品情報
http://national.jp/product/house_hold/wash/location/ind_pkup_na_vr5500l.html
洗濯機関連記事リンク集
http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/washer.htm
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( 平澤 寿康 )
2008/09/16 18:57
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