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キセノンガスの中で発光している様子
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松下電工株式会社は、ナノシリコン電子源を用いた発光デバイスを開発したと発表した。将来、照明器具への応用を目指す。実現すれば、低消費電力で明るく、点ではなく面で照らせる、理想的な照明器具になるという。
蛍光灯などでは蛍光管の中に充填された水銀を含むガスに放電し、紫外線が発生する。この紫外線がガラス管に塗られた蛍光物質に反応して、光を生み出している。今回開発された技術では本来、放電しないシリコンをナノレベルで加工すると電子が放出されるという現象を利用。カメラのフラッシュなどにも用いられる、キセノンガスに電子を放出し、明かりを生み出す。気体そのものの放電に頼らないため、エネルギーを効率よく使用できるという。
この方式だと、有害物質の水銀も使用しないため、環境負荷も軽減できる。特に水銀の規制がきびしいEUなどでは蛍光灯に代わる製品として期待される。なお、同社では実用化のメドについて、「基礎研究の段階で現在のところ未定」としている。
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基本原理
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ガスは放電しないので、効率がよい
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■URL
松下電工株式会社
http://www.mew.co.jp/
ニュースリリース
http://www.mew.co.jp/corp/news/0807/0807-6.htm
( 本誌:伊藤 大地 )
2008/07/09 17:52
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