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三洋電機、4年ぶりの最終黒字

〜AQUAやeneloopなど、コア製品に注力

 三洋電機の2007年度連結決算が発表された。

 売上高は前年比7.2%増の2兆178億円、営業利益は78.7%増の761億円、継続事業税引前利益は前年の赤字から733億円改善して黒字転換し、572億円、当期純利益も741億円改善し、黒字転換し、287億円の増収増益となった。「4年ぶりの最終黒字。全社構造改革の結果、収益、財務面ともに着実に回復している」(三洋電機・佐野精一郎社長)と自己評価した。

 また、2010年度を最終年度とする新中期経営計画を発表。「過去3年間の前中期経営計画は経営再建であったが、新中期経営計画は成長路線を打ち出すもの。高収益基盤の確立を目指す」とした。


三洋電機の2007年度連結決算。4年ぶりの黒字を記録した 08〜10年は、高収益基盤の確立を狙った「成長路線」を打ち出す方針 三洋電機株式会社 佐野精一郎社長

 一方、佐野社長は、シャープとの協業関係をさらに強化することを発表。「これまで、シャープに対して、当社の二次電池の基幹部品を供給してきたが、4月からは北米市場向けの液晶テレビの一部にシャープのパネルを採用。さらに、今後は、三洋電機の調理家電と、シャープの健康家電において、相互補完関係ができないかといったことで検討を開始している」とした。

【21:37 以下更新】


前中期経営計画には一定の成果

 佐野社長は、新中期経営計画の内容に触れる前に、2005年度から2007年度までの3カ年に渡って取り組んできた前中期経営計画について総括。「安定的に500億円以上の営業利益を出せる収益基盤を確立できたこと、有利子負債を大幅に削減したことによる財務体質の安定、ゴーイングコンサーン注記を解除できたことの成果があった。この3カ年の中期経営計画では、一定の成果が出せたと考えている」とした。

 同社は、過年度の有価証券報告書の訂正により、東京証券取引所および大阪証券取引所から管理ポストに指定されていたが、2月9日に指定解除を受けている。

 佐野社長は、前中期経営計画を「経営再建」と位置づけ、全社構造改革に向けて積極的に戦略を実行し、多額の費用と損失を伴うフェーズとしたのに対して、2008年度から開始する新中期経営計画については、高収益基盤の確立に向けた「成長路線」とし、「成長戦略に向け、過去最大規模の設備投資を行なう」とした。

 昨年11月に発表した中期経営戦略「マスタープラン」に則り、2010年度の売上高目標を2兆3,800億円、営業利益の必達目標として900億円、チャレンジ目標として1,000億円を掲げ、「3カ年での利益成長を実現し、健全な財務体質への転換を図る」とした。

 また、設備投資計画では、3カ年で3,600億円を予定。これまでの3カ年に比べて約1,300億円を増額する。

 なかでも成長事業とする二次電池、ソーラー、電子部品の部品3事業において、7割を占める約2,500億円を投資する考えで、「選択と集中に向けた投資を戦略的に加速し、高収益基盤に確立を急ぐ」と語った。

 エナジー事業領域における設備投資は3年間で約1,950億円を計画。そのうち、リチウムイオンの増産に向けた生産能力増強に対して、1,250億円を投下する。これはマスタープランで打ち出した計画に比べて約250億円増額している。


新中期経営計画では、2010年度の売上高目標を2兆3,800億円、営業利益を900億円と設定 二次電池、ソーラー、電子部品の部品3事業を成長事業とし、約2,500億円を投資する 利益成長を実現することで、健全な財務体質への転換を図る

収益性の悪い国内向け家庭用エアコンは中止。XactiはOEM供給へ

 事業領域別の事業計画では、二次電池およびソーラーによるエナジー事業領域では、2010年度に売上高6,100億円(2008年度見込みで5,000億円)、営業利益が580億円(同450億円)。コマーシャルおよび白物家電のエコロジー事業領域では、売上高5,800億円(同5,000億円)、営業利益は160億円(同90億円)、エレクトロニクス事業領域では、売上高が1兆1,500億円(同9,000億円)、営業利益で520億円(同330億円)を目指す。

 「完成品事業群の海外展開強化、経営効率向上策の推進のほか、半導体事業の収益強化に向けた得意分野への選択と集中を行ない、約1,000日(3年間)ですべての継続事業を収益事業化する。また、事業領域別の技術力、商品力、マーケティング機能の強化により、中長期的な競争力強化策の推進を行なう」などとした。


事業領域別の売上・利益の計画
地域別の海外販売戦略

 エナジー事業領域では、HEV事業におけるパートナー戦略の強化を進め、「アウディを含むフォルクスワーゲングループとの提携案件を近々発表できる」としたほか、HIT太陽電池の生産能力増強による海外拡販の推進を進め、「HIV太陽電池の海外売上高を現在の500億円規模から1,000億円に倍増する」と述べた。

 エレクトロニクス事業領域においては、電子部品事業におけるキャパシタ、光ピックアップ増産により、3か年で約500億円の売上高を拡大。半導体事業においては、重点分野向けの経営資源の集中による競争力強化を絶対命題とするほか、グループ内調達率を現在の11%から20%へ拡大する計画を掲げた。

 また、デジタル事業においては、2010年度におけるデジタルカメラの出荷台数を年間2,000万台とし、ムービー事業の拡大戦略も打ち出す。「Xactiのグローバル展開強化に向けて、企画段階から見直しを図っている。また、XactiのOEM供給も新たに開始する予定であり、2010年度には年間200万台の規模を目指す」とした。

 エコロジー事業領域においては、業務用空調、コールドチェーン、コンプレッサによって構成される冷熱3分野における売上高成長を3か年で700億円とし、欧州や中国を中心とした海外展開の強化、業務用機器リプレース営業の強化を図る。「業務用空調清浄システムが、ワーナーマイカルのシネコンに試験導入されているが、近いうちにこれが本格展開することを発表できる」などととした。

 白物家電事業については、4月1日に設立した三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社による経営効率向上策の推進により、家電不採算商品や商流の整理などに取り組んでおり、「収益性の悪い国内向け家庭用エアコン、テレビの生産を中止し、収益性を重視した製品展開を開始している」と述べた。イオンとの協業したプライベートブランドの共同開発の展開強化や、洗濯乾燥機「AQUA」の高機能化を図るという。


2007年度のコンシューマ部門売上は前年比11.8%増。デジカメが貢献

 部門別の2007年度連結決算については、佐野社長は「すべての利益計画において、公表値を上回った。大きく収益を改善できた1年だった」と振り返った。

 コンシューマ部門では、デジタルカメラがOEM事業の拡大などにより、年間1,500万台の出荷を達成。前田孝一副社長によると、「デジカメが売り上げ、利益ともに最大の貢献となっている」という。また、OEM先との協業強化、市場全体の成長に対応した海外生産体制の強化などが事業拡大を下支えした。北米市場における液晶テレビ事業の拡大、カーナビゲーションシステムやプロジェクターの貢献もあり、売上高は前年比11.8%増の7,566億円となった。

 なお、エアコンや洗濯機は海外で増加したが、日本国内向けの家庭用エアコンの生産を終了するなどの選択と集中を行なった結果、家電事業全体の売上高は減少した。

 コマーシャル部門の売上高は、前年比3.0%減の2,625億円。ショーケースは、国内における大手流通チェーンの出店減速の影響を受けたが、北京オリンピック向けにコカ・コーラから飲料ショーケースで5,000台の受注を獲得。「今後、欧州市場向けに1万台を出荷する」(佐野社長)という。

 大型エアコンに関しては、国内では減少したものの、中国、欧州、北米などの海外での売れ行きが好調。さらに、メディコム事業では、法改正に対応した需要増により、医科システムや調剤システムが好調に推移したという。だが、国内の業務用厨房機器をはじめとした産業機器が国内での需要低迷を背景に減少した。

 コンポーネント部門の売上高は8.9%増の9,532億円。二次電池では、リチウムイオン電池が大きく伸張。生産能力の増強および情報通信機器用途への拡大、電動工具をはじめとする動力用途などの新たな市場を開拓したことが貢献している。また、ニッケル水素、ニカド電池も売り上げが上昇した。

 太陽電池については、国内市場では減少したものの、発電効率が高いHIT太陽電池が、欧州を中心に伸張し、事業全体の売り上げが増加した。また、電子部品は、パソコンや携帯電話などの各市場からの旺盛な需要によって、コンデンサーや振動モーターなどの販売数量が増加。光ピックアップもDVD向けの販売数量が増加した。

 その他部門は、24.5%減の453億円となった。輸入製品の売上高減少が影響したという。


2008年度は先行投資のため一時的な減益の計画

2008年度は収益基盤を確立するために先行投資を行なうことで、一時的に減益を見込む
 2008年度の見通しでは、売上高は0.1%増の2兆200億円、営業利益は34.3%減の500億円、税引前利益は73.8%減の150億円、当期純利益は22.0%増の350億円とした。

 佐野社長は、減益の計画であることに関して、「コストダウン効果として250億円を見込む。だが、二次電池や太陽電池などの旺盛な需要に対応するために、戦略的な投資を前倒しで行なっていくことで、減価償却費としてマイナス150億円、海外の人員増による固定費増加でマイナス60億円、レアメタルや原油、鉄鋼などの原材料の高騰でマイナス100億円、為替の影響でマイナス510億円を見込む。ただし、これらは将来の収益基盤を確立するための先行投資であり、設備投資拡大に伴う減価償却費や固定費の増加によるもの。一時的な減益である」と説明した。

 なお、4月1日付けで京セラに売却した携帯電話事業に関しては、今回の決算のなかには組み込んでおらず、非継続事業組み替え後数値として発表している。6月中にも、売却益などの詳細について開示する予定であり、「約300億円の売却益が計上される見込みだ」(佐野社長)とした。


環境貢献型の製品によるCO2削減量が、事業活動のCO2排出量を上回る「カーボンマイナス」の実現を目指す
 そのほか、決算会見では、佐野社長が2020年に向けた環境・エネルギー問題への取り組みについても言及。「2008年には太陽光発電は全世界電力の0.1%に過ぎないが、2040年には25%にまで成長する。効率ナンバーワンのHIT太陽電池および薄膜太陽電池技術により、2010年には世界シェアの10%、2020年には10〜15%を獲得し、4GWの生産能力とする。これにより、CO2削減効果は550万トンに達する。また、2020年には累計1,300万台のHEVに当社製電池を搭載し、HEV市場において40%のシェアを獲得したい。これによるCO2排出量は1,300万トンに達する。さらに、eneloop事業においては、一次電池が年間400億個生産されるうち、2020年には約半数が二次電池に置き換えが可能になると見ている。eneloopのグローバル展開を進め、2020年には一次電池の100億個を置き換えたい。これによってCO2は100万トン削減できる」などとした。

 これらの施策により、2020年度には、2000万トンのCO2削減効果があるとし、CO2削減に大きく寄与する市場において、1兆円の事業規模を目指すとした。

 同社では、2010年に160万トンを境に、事業活動によるCO2排出量と、商品によるCO2排出抑制量が同等な状態となるカーボンニュートラルを達成できるとし、「2020年には、大幅なカーボンマイナスが達成でき、環境貢献において特徴のある企業といわれるポジションになる。1兆円規模の環境先進企業に飛躍する」との目標を打ち出した。





URL
  三洋電機株式会社
  http://www.sanyo.co.jp/
  決算資料
  http://www.sanyo.co.jp/ir/library/financialstatements.html#080205
  2010年度までの中期経営計画について
  http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0805news-j/0522-3.html


( 大河原 克行 )
2008/05/22 17:35

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