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【ミラノサローネ2008】
システムキッチン最新トレンド〜前編

〜IHやLED照明の導入が進むシステムキッチン

 ミラノサローネが行なわれている東京ドーム11個分の巨大展示場、新見本市会場は22のホール(及び野外の巨大テント)に分かれており、そこに1から28までの番号が振られているが(17、19、21、23、25、27の6つは欠番となっている)、入り口にもっとも近い24、22、18番ホールは2年に一度開催される「Eurocucina(ヨーロッパのキッチン)」という展示会の会場となっており、ヨーロッパ中のキッチンソリューションの会社が展示を行なっている。

 ここでは膨大な出展社のブースを通して見えて来たいくつかのトレンドを前後編に分けてお伝えしたい。


キッチンにも押し寄せるLED照明の波

 Eurocucinaの展示では、中規模以上の多くの出展者はクラシック、モダン、デザインに時折、デラックスを混ぜた3〜4種類のデザインパターンを展示していた。

 もちろん、これ以外にもゴシック系のキッチンやカントリー風のキッチン、すべてイタリアらしい赤で埋め尽くしたキッチンなど個性的なものもあるが、基本はクラシック、モダン、デザインの3タイプだ。

 実はこれはミラノサローネの本イベント、つまり家具の展示会においてもそうで、展示会場はクラシック、モダン、デザインの3つのセクションに分けて行なわれている。つまり、これはキッチンだけでなく、ヨーロピアンライフスタイル全体における潮流と言えそうだ。

 この3つの潮流のうち、最新テクノロジーも積極的に取り入れたモダンなキッチンでは2つの大きなトレンドがある。

 1つはフランスを中心にヨーロッパでも広まり始めているIH調理器具の採用、そしてもう1つはLED照明の採用だ。

 LEDといえば省エネ・長寿命であることを理由に使われることが多い。だが、今回、多くの出展者はLEDを、ただの省エネ技術としてではなく、料理をしている際に手元を照らすスポットライトとして使うなど、これまで照明を使っていなかったような場所を明るくするための手段として、積極的に利用しているのが印象的だった。

 たとえばMieleのキッチンソリューションブランド、「Miele die Kuche」では、食器棚にコップや皿のきれいなシルエットを浮かび上がらせるためにLED照明を埋め込んでいる。


Miele die Kucheは食器棚にLED照明を埋め込み、きれいなシルエットを描かせている 少し近づいた状態

PRODOMOはLED照明でテーブル下を明るく照らす
 PRODOMOでは、暗がりになりやすいキッチンテーブルの下やドロワーのハンドル部や内側にLEDを仕込んでいる。

 もっとも、すべての会社がLED照明を採用しているわけではなく、同じ会社でもクラシックやデザインといったテーマのキッチンではハロゲンライトや白色灯、蛍光灯を使っていることも多かった。


イタリアのIH普及はこれから

dinamikaのモダンキッチンはガスコンロを主体にしつつ、火力は必要だが存在として目立たないところにだけIHヒーターを採用
 IH調理器具も、モダンなキッチンの要素として採用しているメーカーが多かった。実際、FTKの展示で目にしたElectroluxやMieleの中華鍋用や鉄板焼き用のIH調理器を採用したソリューションも多く見かけた。

 そんな中でおもしろかったのが、イタリア以外では、わずかにモロッコやギリシアでだけビジネスを行なっているdinamikaのシステムキッチンだ。

 同社のサルバトーレ・ベロッティ氏曰く「イタリア人はまだIHの文化に慣れていない」という。そこで同社が行なったのは机の表面に露出するヒーターとしては、従来通りのガスコンロを用い、パスタなどを茹でる奥の深い埋め込み式のヒーターなどをIH化するという、日本では見かけない、折衷型アプローチを取っている。

 IHについては、画一的で無機質な外観をどのように変えるかも重要なテーマになっている。キッチン家電前編のリポートでは、Electroluxがメッシュメタルを使って外見変更を試みている事例を紹介した。

 木目調のキッチンを売りにしているArkadiaでは、IHヒーターの黒くて丸いヒーター部分の露出を最小限にとどめている。

 また、使わない間はキッチン家電をできる限り隠してしまおうとする会社も多い。LINEA QUATTROでは、IHヒーターだけに限らず、ウォーターシンクなども含め、システム全体を木目調の蓋で覆い隠すことができる。覆い隠すことで、蓋の表面は真っ平らな板となっているため、使わない調理器具を隠すことで、新たな調理スペースが現れることにもなる。


ArkadiaのIHヒーター
LINEA QUATTROのTEKTONシリーズはIHヒーターやシンクなど、キッチンウェアを使わない間は蓋をして隠すことができる

日本未発売、ブガッティのキッチン家電

 ところで、会場のいたるところで目を引いたのは、日本で見かけることのない、イタリアらしいデザインの調理器具だ。中でもビビッドな色使いとレトロモダンな曲線で目を引いたのがキッチン用品メーカー、カーサ・ブガッティの調理器具だ。

 パスタの重さが計りやすそうな三角錐(さんかくすい)を逆さまにしたような秤や、同じく三角錐を逆さまにしたようなエスプレッソマシンやトースター、どの製品もインパクトがあり、カラフルで印象に残る。

 ブガッティのマルコ・クレマッシーニ氏によれば、これらの製品はイタリアはもちろん、ヨーロッパ各国やアメリカ、さらに最近では韓国まで、世界のさまざまな国で売られているそうだが、日本だけは認可を取るのが難しく、先進国としては数少ない例外として販売を見送って来ているのだという。


奇抜な三角錐状のキッチンスケール、Uma 同じく三角錐型のエスプレッソマシン、diVa espresso coffee machine ビビッドなカラーが映えるトースターのVolo toaster

 ところで今回のEurocucinaでは、「家電大手」と言われる日本メーカーの製品はまったくといっていいほど見かけない。

 最近、携帯電話をはじめ、さまざまな業界で、日本メーカーが、必要充分な収益が得られる日本市場だけに注力する「パラダイス鎖国」現象が問題としてとりあげられているが、キッチン家電の分野もそうなのかもしれない。


モジュール型システムキッチンで海外展開に挑戦するダイナミカ

 一方で、先ほど紹介したdinamikaは、どうやら海外市場進出も真剣に考えているようだ。
 同社の今回のサローネでの発表の目玉は「バスシステム」と呼ばれる一辺4mほどのモジュール型キッチンの提案だ。

 「バスシステム」では、電気周りや水回りの配線がきちんとまとめられ、このモジュールをコンテナから取り出し、建物に組み込んで吸水管、配水管と電源などをつなげばすぐにキッチンとして使える状態になる。

 これまでイタリアの他ではモロッコやギリシアでわずかにビジネスを行なうだけの同社だったが、これからはこのバスシステムを使って米国の高層ビル建築などに対しても売り込みをかけていくという。


電気系統などの配線はモジュールの外側で1つにまとめられている バスシステム内部。一見狭そうだが、しっかりとした広さと使い勝手を保つキッチンデザイン ビルにバスシステムを備え付けているところの映像




URL
  ミラノサローネ公式ページ
  http://www.milanosalone.jp/
  ミラノサローネ2008 レポートリンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/event_salone.htm


( 林 信行 )
2008/04/18 00:13

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