ダイキン工業株式会社は、天井埋込型では業界で初めてフィルターの自動清掃機能を搭載した家庭用エアコン「うるるとさらら 天井埋込カセット形 シングルフロー」CRシリーズを、7月20日より発売する。ラインナップは以下の通り。
適応畳数の目安 | 機種名 | 希望小売価格 | パネル | 希望小売価格 | 合計金額 | 室内機サイズ (幅×奥行×高さ) | 室外機サイズ (幅×奥行×高さ) | パネルサイズ (幅×奥行×高さ) |
10畳 | S28JCRV | 414,750円 | BC40JF-WF | 110,250円 | 525,000円 | 990×360×185mm | 765(+63)×285×550mm | 1,200×460×30(+80)mm |
12畳 | S36JCRV | 462,000円 | 572,250円 |
14畳 | S40JCRV | 509,250円 | 629,500円 |
16畳 | S50JVRV | 585,900円 | 696,150円 |
18畳 | S56JCRV | 690,900円 | 801,150円 |
室内の天井にエアコンを組み込むことで、インテリア性と省スペース性を重視する「天井埋込型」の家庭用エアコン。本製品では、一般的な壁掛形エアコンで採用されているフィルターの自動掃除機能を、業界で初めて天井埋込型エアコンで搭載したのが特徴。自動掃除は、1日1回の割合で本体に備え付けのブラシが回転し、フィルターに付着したゴミを取り除く仕組みになっている。これにより、従来までは脚立に乗って本体のフィルターを取り外して行なっていた掃除の手間が省けるようになった。同社では、10年間のフィルター掃除が不要としており、またフィルター掃除をしない場合と比べて、電気代を1年間で約22%削減できるとしている。
自動掃除によって掻き取られたゴミは、本体のダストボックスに溜められる。本製品では、このダストボックスが付いたパネルをリモコン操作で手元に降ろし、簡単に捨てられる機能も備えている。ダストボックス内のゴミ捨ては、2年に1回が目安となる。
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天井から降りてきたパネルの内部。フィルター掃除用ブラシとダストボックスが備わっている
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パネルからダストボックスを取り外したところ
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インテリア性を意識した本体デザインも特徴となっている。従来製品では本体の空気の吸込口に格子状の穴が開いていたが、本製品ではこれを省略し、運転時のみパネルを開ける「フラットデザインパネル」を採用した。これにより、天井との一体感が高められており、同社では「天井に溶け込むようなスタイル」をしている。なお、パネルの色はホワイトだが、希望する色への変更にも対応する。
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従来は空気の吸込口として、本体に格子状の穴が開けられていたが、本製品ではこれを省いた「フラットデザインパネル」を採用
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使用時のみパネルが開く
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施工例
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また、同社の壁掛式エアコンに搭載されている「うるる加湿」機能も搭載した。「うるる加湿」は、屋外の空気に含まれる水分を室外機で集めることで、タンクに水を給水することなく室内を加湿できる機能。冬場の乾いた空気をうるおすことに加え、加湿することで体感温度を向上する効果もあるという。1時間当たりの加湿量は、14畳用の「S40JCRV」で500ml。このほか、室内の温度を下げずに除湿する「さらら除湿」、睡眠中の湿度をコントロールする「うるる快眠」といった機能も備えている。
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同社のエアコンに搭載されている「うるる加湿」を、天井埋込形で初めて搭載した
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「うるる加湿」の仕組みと加湿量
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加湿することにより、同じ室温でも体感温度を向上できる
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室外機
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室外機の上部に「うるる加湿」のユニットが搭載されている
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さらに、窓が大きな家庭では、窓際から冷気の輻射が伝わり、足元が冷たく感じることがあるが、これを防ぐために「2WAYアクティブフラップ」を搭載した。これは、風向をコントロールする2枚の羽根を別々にモーターで動かす機能のことで、従来では暖房が届きにくかった窓側へと風向を向け、窓からの冷たい輻射を抑える機能を持っている。なお、立ち上がりから室温が安定するまでは通常どおり運転し、その後、風向を換える仕組みになっている。
このほか、新開発のコンプレッサーとモーター、熱交換器を採用することで、省エネ性能を向上させた。14畳用の機種では、APF(通年エネルギー消費効率)は4.9、期間消費電力量は1,705kWとなり、同社では業界No.1の省エネを達成したとしている。11年前の機種と比較すると、期間消費電力量を約32%カット、約17,200円の節約になるという。
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2WAYアクティブフラップ
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2つのフラップの角度がそれぞれが切り替わることで、屋外の冷気が伝わる窓際も温められる
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通常運転と「2WAYアクティブフラップ」使用時の暖房効果の違い
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新たに「スイングコンプレッサー」「リラクタンスDCモーター」を採用し、省エネ効果を向上
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APF(通年エネルギー消費効率は4.9ポイント。ハウジングエアコンでは「業界No.1の省エネ」を謳う
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ダイキン工業株式会社 専務執行役員 空調事業本部長 加藤豊氏
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ダイキン工業株式会社 専務執行役員 空調事業本部長 加藤豊氏は、発表会にて「エアコンというと、一般的な壁掛けタイプをイメージされるだろうが、住宅の設備としては床置きタイプも含めて根強い人気がある。本製品を発売することでもっと認知を高めて、皆さんに使っていただきたい」と、新製品に対する期待を語った。
加藤氏は2007年度の家庭用エアコンの業界動向についても触れ、上期は梅雨明けの時期が延びたことで、業界需要は前年同期比2%減の500万9000台に落ちたという。その一方で、下期は対前年8%増となる245万台と、好調な数字になる見通しだという。加藤氏は「上期の落ち込みを下期で取り返すというのは、過去には考えられなかった。燃焼系の暖房機器からエアコン暖房の転換が、想像以上に早く進んでいる」と分析。そのうえで「今後はますます温暖化防止、省エネ化に関する消費者の意識が高まると予想される。さらに省エネ機器・高効率の製品をつくることで、地球環境に貢献していきたい」と、今後の展望を語った。
■URL
ダイキン工業株式会社
http://www.daikin.co.jp/
ニュースリリース
http://www.daikin.co.jp/press/2008/080206/index.html
エアコン関連記事リンク集
http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/aircon.htm
■ 関連記事
・ ダイキン、加湿/除湿機能で省エネ運転ができるエアコン「うるるとさらら」(2007/10/25)
( 本誌:正藤 慶一 )
2008/02/06 16:19
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