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シャープ 井淵良明専務取締役
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シャープは、同社の環境保全への取り組みなどをまとめた「シャープ 環境・社会報告書2007」を発行。それにあわせて、同社の環境先進企業への取り組みについて発表した。
シャープでは、2004年度から企業ビジョンとして、「2010年地球温暖化負荷ゼロ企業」に取り組み、全世界の事業活動による温室効果ガス排出量を抑制するとともに、太陽電池による創エネと、商品の省エネ化による温室効果ガスの削減を目標に掲げていた。具体的な目標として、温室ガスの削減量が、排出量を上回る体制確立を目指している。
2006年度は同社事業による温室効果ガス排出量は173万トン、一方、CO2の削減量は92万トンとなり、2005年度に比べて排出量が154万トンから増加しているが、「これは亀山第2工場の稼働によるもの。排出増加量の2倍を削減した」(井淵良明専務取締役)という。
また、同社では、「新たな暮らし」として、一般家庭からのCO2排出量と、省エネ家電への買い換えや太陽電池の設置などによる温室効果ガスをゼロにする「2010年地球温暖化負荷ゼロの暮らし」を提案しており、それに向けた家電製品の創出にも取り組んでいる。
「当社は、引き続き、事業拡大と環境保全を両立する企業、モノづくりを通じた社会貢献が評価される企業を目指して取り組んでいく」(井淵氏)とした。
同社では、グリーンプロダクトとして、「エネルギー効率がよい、エネルギー使用の少ない商品」、「省資源化を考慮した商品」、「安全に使用・処理できる商品」、「リサイクルの配慮した商品」、「再生材料を使用した商品」、「解体性に配慮した商品」、「長寿命化に配慮した商品」といった7つのコンセプトを掲げているほか、各国で規制されている環境法規制への対応、素材から製造、輸送、使用、廃棄までのライフサイクルアセスメントを考慮したものづくりに取り組んでいるという。
「社員全員が環境配慮に対する意識を高めており、シャープの製品はすべてグリーンプロダクトの基本コンセプトに準拠した製品となっている。また、社内独自の認定制度を設けており、トップランナーといえる環境性能があるものをグリーンシール商品、省エネダントツナンバーワン商品は、スーパーグリーンプロダクトとしている」(シャープ環境安全本部・森本弘本部長)という。
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事業拡大と環境保全の両立を目指すという
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省エネ家電への買い換えを促進し、CO2排出量の削減を目指す
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経営・製造・物流・リサイクルなどすべての企業活動で環境負荷の軽減を目指す「スーパーグリーン戦略」
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亀山工場の太陽発電システム
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2006年度の社内目標として、グリーンシール商品の売り上げ構成比を85%に、スーパーグリーンプロダクトの売り上げ構成比を30%にすることを掲げていたが、実績では、それぞれ約93%、約49%と目標を大きく上回っている。
一方、同社ではプラスチックの自己循環型マテリアルサリサイクル技術を導入。使用済み家電製品のからプラスチック部門を回収し、家電製品の部材として再利用している。
2006年度には、廃洗濯機脱水槽回収装置を開発するとともに、ポリスチレン系プラスチックのリサイクル技術を開発したことも影響し、年間620トンの再生プラスチックの使用につながったという。
再生プラスチックの回収部品は、洗濯機の水槽で280トン、脱水槽およびバランサで185トン、冷蔵庫の野菜ケースで120トン、棚板で10トン、テレビで25トン。これらが、冷蔵庫や洗濯機、エアコンの部材として再利用されているという。2008年度には、再生プラスチックの使用量を1,000トンにまで拡大する計画だ。
さらに、シャープや三菱マテリアルなどが出資している関西リサイクルシステムズでは、昨年12月に、ブラウン管テレビの専用再生工場として同第2工場が稼働。年間50万台の処理が可能だという。
また、同社のeS-SEM(エッセム)と呼ばれる経営システムと、品質管理のQMS、環境管理のS-EMSを統合し、品質・環境統合マネジメントシステムとして展開。これを、2006年度中に携帯電話などの製造する広島、白物家電を製造する八尾の2つの事業所に導入。2007年度には、国内6事業所に拡大する計画。
さらに、生産拠点に対しては、自主基準による環境対応の認定を行なっており、社内基準を70点以上となる拠点をグリーンファクトリー、90点以上の拠点をスーパーグリーンファクトリーとしている。
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最高基準の環境配慮型工場を「スーパーグリーンファクトリー」と呼ぶ
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社内で独自の基準を設け、環境負荷の少ない製品やデバイスの開発を促す
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環境負荷の少ない「グリーン製品」の売上は年々上がっている
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2006年度は、国内でグリーンファクトリーが5工場、スーパーグリーンファクトリーとして5工場が認定。海外では、グリーンファクトリーが12工場、スーパーグリーンファクトリーとして3工場が認定されている。
「2007年度は、国内全10拠点をスーパーグリーンファクトリーとし、海外では全拠点をグリーンファクトリー以上とすることを目指す」(井淵氏)としている。
一方、同社では、環境配慮型製品開発システム(略称G-PAS、Green-Product Assessment System)を、業界で初めてグローバル展開すると発表。同システムを活用することにより、全世界の同社生産拠点で生産する全製品において、製造、流通、使用、リサイクル(廃棄)といった製品ライフサイクル全般に渡る環境負荷低減と、リードタイムの短縮が可能になるとしている。
同システムは、2006年度に国内の全設計、生産事業所で運用を開始しており、2007年度には海外の全12か所の設計・生産拠点へと拡大する考えだという。
■URL
シャープ株式会社
http://www.sharp.co.jp/
ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/070723-b.html
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・ 電機メーカー5社、電気製品の環境効率についての標準化ガイドラインを制定(2006/11/27)
( 大河原 克行 )
2007/07/23 16:36
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