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NJ-SX
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三菱電機株式会社は、内釜を上下に振動させて、均一な温度で加熱する炊飯器「炭炊釜 NJ-SX」を、8月21日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、5.5合炊きの「NJ-SX10」が60,000円前後、1升炊きの「NJ-SX18」が63,000円前後。
釜内の温度を均一に上昇させることを狙った炊飯器。同社の調べによると、米の仕込み時の湯温を57℃にし、15分間加熱すると、糖化酵素が活性化され、甘みを最大限に引き出せるという。ところが、従来の炊飯器では、水面付近の温度が早く上昇し、本体下部では低温となってしまうことが多く、温度にズレが発生していた。
そこで本製品では、本体内に加振器「おいしんどう」を搭載。釜に、1秒間に50~60回の縦振動を与えることで、釜内部をかき混ぜ、湯温を均一にする。これにより、57℃で15分間の加熱が可能になり、還元される糖の量は、昨年のモデルと比べて5%アップするという。
この「おいしんどう」の微振動により、吸水効果もアップ。加熱中に超音波の微振動で吸水効果を上げる「超音波吸水」と相乗効果により、従来機種「NJ-PE」よりも含水率を18%向上したという。なお、同社では仕込み時の含水率について、27%から32%を「理想」としており、本製品は、その中間に当たる30.7%になるという。
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おいしんどうによるかき混ぜ効果のイメージ図(左)と、おいしんどうが振動する仕組み(右)
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仕込み時の理想とされる「57℃での15分加熱」が可能になるという
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また、従来機種では、ステンレスの約7倍の熱伝導効果のある炭を、従来機種の内釜の外周と本体胴回りの表面にコーティングする「炭コート」仕様を採用していたが、本製品ではこれを継承するとともに、厚さを約40%、炭の含有量を約50%増量。これにより、加熱効率は従来機種比で5%、炭なしの機種からは40%アップした。
加えて、炭とともにガラスビーズもコーティングし、蓄熱効果も10%の向上。さらに、ふたに備えられている放熱板も炭コートとすることで、遠赤放射率が約3倍となり、ごはんをふっくらと仕上げられるという。
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内釜の外側は、熱伝導率の高い炭でコーティングされている
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本体の胴周り(左)、ふたの放熱板(右)も炭加工が施されている
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玄米用の炊飯モードとしては、「健康玄米」モードを通常モードと併せて搭載。これは、高血圧・糖尿病などを改善する作用があるとされるGABA(γ-アミノ酪酸)を、従来機種より約50%増量し、さらに沸騰時間を短くすることで、栄養素の損失を抑えるというもの。また、好みの食感に合わせて、玄米をかため、やわらかめに炊き分けるモードも搭載している。
そのほか、余分な蒸気を排出して、必要な水分だけを閉じ込めることで、保湿効果を高める「潤うまさカートリッジ」、1.2気圧、105℃で加熱し、ねばり、うまみを引き出す「大沸騰圧力 IH」などの機能も備えている。
NJ-SX10の本体サイズは、259×363×232mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は5.7kg。消費電力は、炊飯時が1270W、保温時が25W。
なお、本製品から「おいしんどう」機能などが省かれた中位機種「NJ-SV」、「おいしんどう」と炭コートなどが省かれた下位機種「NJ-SE」も、同時に発売する。店頭予想価格は、NJ-SVの5.5合炊き「NJ-SV10」が40,000円前後、1升炊き「NJ-SV18」が43,000円前後。NJ-SEの5.5合炊き「NJ-SE10」が30,000円前後、1升炊き「NJ-SE18」が33,000円前後。
■URL
三菱電機株式会社
http://www.mitsubishielectric.co.jp/
■ 関連記事 ・ 【そこが知りたい家電の新技術】三菱電機 炊飯器「本炭釜 NJ-WS10」(2006/09/13 PC)
( 本誌:正藤 慶一 )
2007/07/09 16:20
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