社団法人日本ガス石油機器工業会は、リンナイのガス湯沸かし器による死亡事故などを受け、過去20年間に起こったガス機器関連事故の状況をまとめた調査結果を発表した。
この調査は、ガス機器の死亡事故が相次いだことから、経済産業省が日本ガス石油機器工業会に要請して行なわれたもの。調査によると、過去20年間で1,476件あった。調査で、事故として定義されているのは、死亡事故、治療期間30日以上または後遺症が残る被害を出した事故、一酸化炭素中毒事故、火災事故といった、人的被害または重度の物損があった事故。
1,476件のうち、891件が温水器、365件が調理器、161件が暖房機器が原因となっていた。死亡事故は157件起きており、死亡者は199人。すべてが一酸化炭素中毒が死因となっている。もっとも死者が多く出たのは、調査対象の最初期となる'86年から'90年で、それ以降、不完全燃焼防止装置の義務づけなど、規制の強化によって年々、死亡事故の件数は減っている。
また、事故の原因として一番多かったのは誤使用または施工不良による事故で、全体の半数を超える820件だった。製品の不具合によるものは196件、火事で機器が焼けるなどして、原因がわからないものも460件ある。誤った使用による事故が多いことから、同工業会ではこまめな換気など、ガス機器を正しく使用するよう、消費者への呼びかけを強化する。
同工業会では、4月1日に施行される改正消費者生活用製品安全法に合わせ、事故処理のガイドラインとなるマニュアルを制作中という。改正消費者生活用製品安全法は、事故後の対応がメーカーにより異なり、問題となっていたことに対応するもので、製品事故の情報提供や報告義務などについての細かい規定が新たに盛り込まれている。
■URL
日本ガス石油機器工業会
http://www.jgka.or.jp/
ニュースリリース
http://www.jgka.or.jp/wnew/gas-jikotaiou%20%202007.02.19.htm
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( 本誌:伊藤 大地 )
2007/02/19 19:30
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