松下電器産業株式会社は15日、生活家電事業の拠点再編を発表。大阪、奈良、滋賀の3カ所にあった研究・開発拠点を滋賀県草津に統合するほか、食器洗い乾燥機の生産拠点統合などの内容を含んでおり、コスト競争力の強化、経営リソースの集中などを目的としている。
今回、発表された拠点再編は2009年度に売上高10兆円、資本利益率(ROE)10%の達成を目指す経営目標「2010年グローバルエクセレンス」に基づいたもの。研究開発拠点の統合、冷蔵庫用コンプレッサーの生産拠点統合、食器洗い乾燥機の生産拠点統合の3点が主な内容となる。
研究開発の拠点はこれまで、エアコンや冷蔵庫を製造する滋賀県の草津工場、洗濯機や食器洗い機を製造する大阪府の三国工場、電子レンジや暖房器具を製造する奈良県の筒井工場と、製造を担当する工場に分散していた。
これを、2007年12月を目処に草津に統合。大阪、奈良からは経営や企画などスタッフ部門や、工場に付随する研究所も合わせて草津に移管し、「次世代先行商品の開発やモノづくり新工法の発信基地」として、同社の生活家電事業の中心拠点とする。これまで分散していた研究開発部門を統合することで、「ヒートポンプななめドラム洗濯乾燥機」に代表される、異なる製品ジャンル間の技術融合などを目指す。
食器洗い乾燥機は卓上型、ビルトイン型ともに国内市場では圧倒的なトップシェアを誇る同社だが、今後、市場の成長および競争の激化を見込み、卓上型の生産を2008年2月頃を目処に、大阪から中国に移管。一方、リフォーム事業と関連の深いビルトイン型については国内に残し、2008年度中に草津に移管するという。
世界市場でのシェアが2位という、冷蔵庫用コンプレッサーの生産拠点も再編する。従来、国内では藤沢に工場を持つ松下冷機で生産していたが、これを、冷蔵庫などの製造を行なっている草津へ2008年度に移管。一方、海外拠点は従来のシンガポール、マレーシア、中国の3拠点を2007~2008年度にかけて、マレーシアと中国の2拠点に絞り込み、効率化を図る。
なお、今回の拠点再編に伴い、松下冷機の藤沢拠点を2008年3月に、大阪府の三国拠点を同8月に、奈良県の奈良北拠点を同2月頃に閉鎖する予定。
■URL
松下電器産業株式会社
http://panasonic.co.jp/
ニュースリリース
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070115-4/jn070115-4.html
( 本誌:伊藤 大地 )
2007/01/16 00:00
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