日立アプライアンスは11月7日、業界で初めて、ルームエアコンの内部各所にステンレスを採用した「ステンレス・クリーン 白くまくん Sシリーズ」8機種を、12月上旬から順次発売する。
価格はオープンプライス。店頭予想価格は適用床面積6畳までの「RAS-S22W」が190,000円前後(2月下旬発売)、8畳までの「RAS-S25W」が210,000円前後(2月中旬発売)、10畳までの「RAS-S28W」が230,000円前後(12月中旬発売)、12畳までの「RAS-S36W」が240,000円前後(1月上旬発売)、14畳までの「RAS-S40W2」が250,000円前後(12月上旬発売)、16畳までの「RAS-S50W2」が270,000円前後(1月上旬発売)、20畳までの「RAS-S63W2」が300,000円前後(3月下旬発売)、23畳までの「RAS-S71W2」が320,000円前後(3月下旬発売)。
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日立アプライアンス空調事業部ルームエアコン統轄本部・長澤喜好氏
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同製品には、独自のフィルター拭き取り方式のフィルター自動掃除機能を搭載。ステンレスとの組み合わせにより、汚れの付着やカビの発生を防ぐことに成功したという。
「ステンレスには、錆びにくいという特性があるが、それとともに汚れが付着しにくく、菌の繁殖を抑える特性がある。この特性に注目し、フィルター、通風路、上下風向板にステンレスを採用。室内ファンには銀イオン、熱交換器にはチタンをコーティングした。また、本体2か所に取りつけたダブルプラズマ電極から発生するマイナスイオンによって、ホコリを帯電し、ステンレスフィルターでホコリを吸着。さらに、花粉やハウスダストなどの汚れも吸着する」(日立アプライアンス空調事業部ルームエアコン統轄本部・長澤喜好氏)という。
同社では、長年使用された100台以上のエアコンを検証し、ホコリやカビがどこにつきやすいのかを調査した。その結果、ホコリはフィルターやキャビネット上が最も多く、カビは熱交換器や通風路に多かったという。
「除菌ステンレスを活用し、入口から出口までをクリーンとすることで、ホコリをつけずにカビ菌や雑菌の発生を抑えることができる。汚れなければ、カビが発生せず、臭わない」(同)というわけだ。
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主要な部分にステンレスをふんだんに使用している
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風路にもステンレスを採用
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金色の部分がお掃除ワイパー。左側のローラーのような部分がホコリキャッチャー
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省エネを実現する新IQ-PAMエンジン
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一方、新たに搭載した拭き取り方式のフィルター自動掃除機能は、ステンレスフィルターによって油分を含んだホコリも取り除きやすくしたほか、拭き取ったホコリをダストボックスに溜める方式を採用。ホコリを内外に放出しないようにした。ダストボックスは約150立方cmとし、「年間に排出されるホコリが10~12立方cmであることを考えると、約10年分のホコリを溜めることができる」(日立アプライアンス空調事業部空調システム設計部・高橋典夫氏)という。
また、溜めたホコリがカビにならないように、ダストボックスには、わさび成分を施しているという。ステンレスフィルターは、従来のものよりも約1.5倍の微細メッシュフィルターとし、ホコリの捕集性を高めている。さらに、自動掃除時の運転音は30dbと、図書館内の静かさ(約40db)を下回る。
同社が、今回の製品で「クリーン」にこだわった背景には、近年、クリーンに対する要求が高まっていることが挙げられる。
「基本機能や省エネに対する要望も強いが、ここにきて、内部の汚れやフィルター掃除、空気の汚れなどに対する不満点が増えている。基本機能の強化、省エネ対策にも力を注ぐ一方で、新製品ではクリーンなエアコンを目指した」という。
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微細メッシュを採用したステンレスフィルター
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また、広いリビングでも快適な冷暖房を実現するために、左右の風向板の大きさを1.5倍に拡大し、従来機種よりも70度広い左右160度の広角で風を吹き出すようにしたほか、より遠くまで風を届ける大型の上下風向板のダブルビッグルーバーとの組み合わせによって、3次元の立体的な風を生み出す3次元ワイド気流を可能とした。
フィルターの自動掃除機能によって、約25%の電気代の節約を達成したほか、新IQ-PAMエンジンの搭載および超研磨ダブルアクセルコンプレッサーの採用により、11年前の約半分の電気代に抑えたという。全機種で省エネ法の2010年基準値をクリアしている。
外観はシンプルなデザインを採用。ピュアホワイトとシャインベージュの2色をラインアップ。2.2kW(冷房時適用畳数6畳程度)から7.1kW(同23畳程度)のモデルまでの8機種を用意した。なお、価格については「素材原価の高騰や、機能の強化などにより、従来モデルに比べて約15%の価格引き上げた」とした。
日立アプライアンス空調事業部長・西耕一常務取締役は、「2007年のエアコン新製品では、健康・クリーン、快適、環境という観点のすべてにおいてナンバーワンを目指す。その熱い気持ちを反映した第一弾製品であり、過去にないほどの渾身の力を込めて開発した。とくに、4.0kW以上の高級タイプ市場において、トップシェアを目指す」とした。
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2007年度のルームエアコンの考え方
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100台以上を調査したエアコンの汚れの実態
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ステンレスの効果は他の素材に比べて大きい
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全面ステンレスフィルターの効果
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日立アプライアンス空調事業部長・西耕一常務取締役
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日立アプライアンス空調事業部空調システム設計部・高橋典夫氏
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■URL
日立アプライアンス株式会社
http://www.hitachi-ap.co.jp/
ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2006/11/1107.html
( 大河原 克行 )
2006/11/07 20:25
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