家電Watch編集長
伊達浩二
「家電Watch」を始めようと思ったのは、もう5年ほど前になります。
私が生まれ育った'60年代は、生活家電の普及が始まった時期でした。
洗濯機、冷蔵庫、掃除機など、これまでなかった家電製品が家の中に増えていきました。1つ製品が増えるごとに、見知らぬ機器がもたらす未知の喜びがあり、生活の様子も少しずつ変わっていきました。
1つ1つの家電は、それぞれが、異なった夢であり、それが揃っていくことで、暮らしが楽しく豊かになっていくという期待が素直に持てました。
いまでも、大型家電店のエスカレーターなどで、購入した家電製品を持っている家族は、みんな楽しそうに見えます。手に提げている製品が小さな炊飯器1つであっても、そこには、その製品がもたらしてくれる新しい生活への期待があるからだと思います。価格の高低に関係なく、家電を買うことは生活の幸せを買うことなのだと思います。
そして、それは購入する側だけではなく、作り手側もよく分かっていることだと感じています。生活家電は作り手側の思想を製品に反映しやすい分野でもあり、そこに込められた、製品にかける意欲は強く深いものです。
一方、生活家電は、生活と密着した製品だけに評価が難しい面もあります。家族の数や、どんな住まいかによって、まったく逆の結論が出ることも珍しくありません。
それもあって、公開される情報も、TVでのイメージCMか、否定的なニュアンスの強い商品テストが多く、どちらかに偏った印象があったことは否めません。
「家電Watch」は、「家電」という製品を肯定的に受け止め、製品のコンセプトや仕組みなどを、第三者の立場で伝える普通のメディアとなることを目指しています。
もちろん、人員や予算は限られた状態であり、また、これまで手がけてきたものとは離れた分野だけに、手探りの時期が続くと思います。
それでも、家電という製品が生活の幸せをもたらすものであるということさえ忘れなければ、そんなに道を誤ることはないと信じています。
最初はふらふらとした歩みかもしれませんが、平日は毎日更新していきますので、読者のご愛読をお願いするしだいです。
( 本誌:伊達 浩二 )
2006/10/02 00:00
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